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下條公認会計士事務所
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欠損金の繰戻し還付
欠損金の繰戻し還付制度(当期の欠損金を前期の所得と相殺して法人税の還付を受ける制度)は以前からあり、平成4年から適用が凍結されていましたが、中小企業者等(注)に限定して平成21年2月1日以後に終了する事業年度から制度が復活しています。
欠損金というと繰越控除(当期の欠損金を記録しておき、将来7年内の所得と相殺する制度)をイメージする方が多いですが、中小企業者等については、繰戻し還付と繰越控除の有利な方を選択することができます。
1年決算の会社を前提にすると、還付される法人税額は以下の算式で計算します。
還付税額 = 前期の法人税額×当期の欠損金額/前期の所得金額

簡単な計算例を示すと次のようになります。

【設例1】
前期所得2,000万円、法人税額536万円
当期欠損1,500万円
の場合、繰戻し還付される税額は536×1,500/2,000 = 402万円 となります。

また当期の欠損金額の方が大きい場合には、次のようになります。

【設例2】
前期所得2,000万円、法人税額536万円
当期欠損3,000万円
の場合、繰戻し還付される税額は
536×3,000/2,000 = 804万円 ではなく、
536×2,000/2,000 = 536万円 となります。
納めた額が限度となるのは当然ですね。
しかし、すると3,000−2,000=1,000万円の欠損金は無駄になってしまうのでしょうか?
そうではありません、この部分は繰越控除を適用できますので、記録しておいて将来の所得から差し引くことができます。

 なお、地方税(事業税、県民税、市町村民税)については欠損金の繰戻し還付制度はありません。法人税で繰戻し還付を適用した部分についても地方税では繰越控除に相当する処理を適用することになります。

欠損金など無いに越したことはありませんが、発生してしまった場合に繰戻し還付か繰越控除のどちらを適用するかについては、
  • 当面の資金繰り状況
  • 中期の損益予想
  • 軽減税率(18%)も考慮した有利選択
  • 繰戻し還付適用に際しては、原則として欠損金額確認のための調査があること

等を踏まえて総合的に判断する必要があります。

(注)中小企業者等とは次の法人をいいます。
  • 期末資本金の額が1億円以下の普通法人
  • 公益法人等
  • 協同組合等
  • 人格のない社団等

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